■いまうばすて■

cuento de fantasía "imaubasute"

 京都の西賀茂の親友のおねえさんから、もう12、3年も前でしょうか、春の便りをいただいて、そこに印刷されていたのが鷹峯街道の醤油屋の前を大八車をいて上る牽き売りの版画でした。それに、ふと、子どものむかしや小僧のむかしがよみがえってきたのがこの小品です。だから、舞台はなんとなく鷹峯近辺ですが、登場人物には和尚や父や母の姿も混在しています。牽き売り……、いまもあるかどうか、鷹峯の鷹峯らしいけしきで、街道も裏に回ればすぐに畑が広がって、京野菜なんて言葉もない、胡瓜や茄子や唐辛子がうじゃうじゃ成っている、そんな時代でした。はがきの版画にはH.Kobayashiと小さく読めるサインがあって、知識不足で長くわからなかったのですが、つい最近、ネットで調べて新潟出身の版画家小林春規さんの作品と知りました。断わりもなくイラスト(下)にデフォルメして使わせていただいています。ご容赦ください。いまは水原の方に居られるようですが、若い頃は京都で表具屋に弟子入りして仕事をされていたそうで、近いものを感じました。作品も、いまも京都にふつうにある在所の風景を衒いなく、あたたかい目で描かれていて、ほんとうに心和みます。

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