■キューバ日本人物語■

las leyendas de los emigrantes japoneses en cuba

 移民史は、つまるところ、それぞれがどう生きたかの積み重ねであって、その難題にあえて挑戦。「キューバ日本人移民名簿」にまとめた千百人を超える一人一人について、生きた証を、一行でも二行でもわかることがあれば、とはじめました。そして、ほぼ半年、1144人を書き終えました。これまで、日本からキューバに入った日本人の数を1139人としてきましたが、今回、確認作業を続けているうちに、姓名や出身地の誤りに加え、重複や欠如にも気づいて、現在(2020.6.5)のところ、総数を1144人に訂正しています。いうまでもなく、日本人移民史として対象にしているのは、日本人、つまり一世だけですが、二世も何人か記憶に残る人として取り上げています。移民の歴史は、移民会社による集団移民の場合は少ないながらも外交記録が残っていますが、個人による渡航や呼び寄せの場合はそれがありません。キューバの場合、集団移民は小川富一郎による小川移民が75人、榎本惺による榎本移民が17人、そして海外興業による契約移民が393人(第18回までが380人)と半数足らずで、海興移民のなかにも渡航のために海外興業の斡旋を利用しただけの人がずいぶんいました。だから、あしあとを手繰ることはけっこうきびしくて、それでも、ふとした数字や少しの言葉(記述)にもヒントはあって、想像を逞しくすれば実像もぼんやりとながら見えてくる。それがまたたのしかった。内藤さんといっしょに「キューバ日本人移民名簿」をまとめたあと、司馬遷の『史記』ではないが、名簿の一人一人がどんな生き方をしたのか、「キューバ移民列伝」を刊行するのが約束でした。そのために内藤さんには、百人近いか、ひととなりを手紙で教えてもらった。だからもちろんこれは内藤さんとの協働作で、ペーパーにこそできなかったが、なんとかネットを通じて発表できてほんとうにうれしい。また一つ肩の荷が下りて、内藤さんにも、お世話になったあの人この人にも、冥途で顔向けができると思っている。

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